構造用耐力面材
2010年 09月 14日
構造用合板は、数枚の単板を接着剤で貼り合わせたものです。木の層は透湿性があっても、接着剤の層は湿気を通す事ができるのでしょうか?
そこで、透湿性能を調べてみました。
構造用合板 9mm:透湿抵抗 10.3 [㎡h・mmHg/g]、壁倍率 2.5倍
透湿性能を謳う耐力面材として、次の建材があります。
DAIKENのダイライトMS
三菱マテリアル建材のモイスTM
ケナボード 4.5mm:透湿抵抗 1.0以下 [㎡h・mmHg/g]、壁倍率 2.8倍 or 3.2倍
ダイライトMS 9mm:透湿抵抗 2.3 [㎡h・mmHg/g]、1.1×10-3[㎡・s・Pa/ng]、壁倍率 2.5倍
ダイライトMS 12mm:透湿抵抗 3.0 [㎡h・mmHg/g]、1.4×10-3[㎡・s・Pa/ng]、壁倍率 3.0倍
モイスTM 9.5mm:透湿抵抗 5.29 [㎡h・mmHg/g]、壁倍率 2.7倍
数値だけを見ると、ケナボードが構造用合板の10倍湿気を通します。一番少ないモイスTMでも、2倍ほどの透湿性能を有しているようです。
ケナボードは、ケナフという植物の繊維をマット状に加工し接着剤を含浸させ熱圧を加えて成型したものです。接着剤を利用してるのがちょっと気になりますが、薄い上に透湿性能・壁倍率など性能はかなり良い数値を示しています。
ダイライトMSとモイスTMは、どちらも火山性ガラス質材と鉱物質繊維をボード状に成形した無機質製品です。接着剤を利用しない無機質ボードということで、耐火性能の向上が期待できます。
集成材や合板などの接着剤を利用した製品をできるだけ使わずに家を建てたいと思っています。できれば外壁の構造用合板も使わず家を建てたいところです。ケナボードは性能は良いのですが、構造用合板同様に接着剤を利用しています。接着剤を避ける意味もあり、白洲そとん壁の施工マニュアルにも登場するモイスTMを採用しています。
工事予算との兼ね合いを検討せねばなりませんが、今後も採用していきたいと思っています。
ご指摘ありがとうございます。
2010年03月12日に保存しているpdfカタログデータの数値では、5.29 [㎡h・mmHg/g](JIS A 1324(カップ法))となっておりました。
2015.09.12時点で、オンラインカタログを見ますと、6.40 [㎡h・mmHg/g](JIS A 1324(カップ法))、0.00306=3.06×10-3(m2・s・Pa/ng)(JIS A 1324(カップ法))となっておりました。
コメントありがとうございました。