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上手にラインマーカーを使って条文を読み易くする

建築基準法の関連条文は括弧書きがとても多く読みにくい文章です。括弧書きが無ければ、すっきりと読みやすく内容も理解し易くなります。条文を読み易くするための工夫とそのためのペンを一つ紹介します。

まず、建築基準法の条文から括弧書きのために読みにくい一例です。用語の定義として建築基準法が取り扱う「建築物」とは何かについて書かれた条文です。

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括弧書きの中を読んでいるうちに本文を忘れてしまいもう一度読み返す羽目に陥ります。括弧書きを読み飛ばすために条文に目を走らせますが、複数行にわたる括弧書きや二重括弧などもあるため閉じ括弧はそう簡単には見つかりません。


アンダーラインを入れてみる

そこで、括弧書きを読み飛ばし易いように昔からよく使ってきた手が、括弧書きを除く本文に目印となるアンダーラインをボールペンで入れる方法です。ボールペンではなく蛍光ペンも良く利用します。

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ただ、この方法を多用すると法令集がアンダーラインだらけになってしまい、使えば使うほど他の重要な条文につけたカラーラインやマーカーが目立たなくなります。
それでも、法令の文章内には括弧書きが多用されているので、どうにか括弧書きと本文との差をつけたいところです。

そこで近年私が使っているのが、ゼブラの蛍光ペン(ラインマーカー)、マイルドライナーのマイルドグレーによる線引きです。

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ただ、ラインを入れる箇所が今までと異なります。本文を目立たせるのではなく、これまでと逆の発想で括弧書きをグレーアウトさせるためにラインマーカーを入れます。


グレーのラインマーカーを入れてみる

先程の括弧書きにマイルドグレーのラインマーカーを入れるとこのようになります。

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アンダーラインを引いた条文よりも本文が読み易く、かつ、ラインを入れた箇所が悪目立ちしませんから他の重要な法令より目立ってしまうこともありません。

括弧書きの中が重要な状況があるので、グレーアウトさせた文章が読めることは必須です。括弧書き内が消えても、読めないほど黒くなってもダメです。

例えば上記の条文の括弧書き内を逆に読むと、プラットホームの上屋は建築基準法の対象となる建築物ではないと明記してあります。このようにグレーをかけた文章がきちんと読めることは重要です。

最近は、パステル調の蛍光ペン(ラインマーカー)も幾つか売られており、それらでも同様に使えるかもしれません。ただ、目立たないよう余計な色をつけず、下の文章が読める程度に隠してくれるマイルドグレーが絶妙な効果を生んでいると思います。


個人的に理想とする方法

手持ちの建築資料研究社刊の建築基準法関係法令集は1,400ページほどで価格は税込¥3,000-程です。新入社員の頃(24年前)には黒の一色刷りだったのが、今では黒・赤の二色刷りです。
私個人の理想で言えばコストアップしても良いので、黒・赤に薄青を加えて下のような三色刷りにしてもらえるとノーマル状態でかなり読み易いと思うのですが。

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裏写り

さてゼブラのマイルドライナーは、ノートやコピー用紙ではほとんど裏写りは見られませんが、紙の薄い法令集ではどうしても裏抜けしてしまいます。他の蛍光ペン同様ペンをいれた場所と止めた場所が特に濃く滲んでしまいます。その箇所以外は裏写りと言ってもごく薄いのですが、気になることは気になります。
一度では薄いからと二重にペンを入れると確実に裏抜けします。法令集では薄く感じてもペンを入れるのは一度にした方が無難です。

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括弧書きをグレーアウトさせつつ重要なラインは目立たせるために自由に色が使えます。

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このマイルドライナーは薄くパステル調なので主に女子に人気なのだと思われますが、その中でグレーは女子受けしないのか他の色は売られていてもグレーを置いていない売り場が多々あります。私は、近所の文房具専門店ではグレーがなくて、ロフトやハンズ等の大型の売り場でようやく見つけました。

昨年2018年10月には新色が追加されています。その中に今回紹介したマイルドグレーより濃いマイルドダークグレーがあります。私はダークグレーをまだ使ったことがありません。グレーでは薄いなぁと思う時があるので試してみたいとは思います。

一段濃いダークグレーでちょうど良くなるかもしれませんし、グレーアウトの効果が高いかわりにグレーをかけた文章が読みにくい事も考えられます。また、濃い分だけ裏写りの可能性も高いかもしれません。
購入の際は色の実際に試し書きをしてみる等、色の間違いにお気をつけください。

この春から設計事務所や工務店に勤め始めた新入社員の皆さんの中でも設計や確認申請などで建築基準法に大きく関わる方も多くいらっしゃると思います。この先、何度も何度も条文を読み込む機会があります。読みにくい条文が多いですが、読み易くする様々な工夫でうまく条文と付き合い、遵法精神を高くもって業務に取り組みましょう。
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by imtom | 2019-04-05 14:39 | 仕事の道具 | Trackback | Comments(0)

兵庫県姫路市で住宅設計を生業とする建築士、今村智則の徒然記


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