土台に何を選ぶべきか
2007年 11月 15日
住宅の強度(耐震性)と耐久性に大きく関係するのが、骨格となる構造材です。仕上げ材は容易に改修できますが、構造材を改修するとなると大事で、場合によっては建て替えという事にもなりかねません。木造の主要構造材である土台、柱、梁に利用する木材は、国産・輸入材、無垢・集成材など数ある中で何が良いのでしょうか。
まずは土台から。
その中、桧は人工的な植林も進み生産量が多く入手が容易ですし、土台に使うなら節有り材で良いのでそう高いものにはなりません。
しかし、世間一般で多く利用されているのは大量に輸入されている安価な米栂ではないかと思います。非常に安価なのですが米栂は湿気に弱いため腐りやすくシロアリの食害を受けやすいと言う重大な欠点を抱えています。それを薬剤注入が容易という特性を利用して防腐防虫加工を施して補っています。この薬品注入が確実に行われているのか?確実に行われているとしても薬品の効果の持続期間も気になります。持続期間が長く効果が強いほど人への健康被害の懸念も大きくなります。
「米栂 土台」でサイト検索すると、危険は叫ばれても安心に結びつく情報は出てきません。それでも多くの方がその情報を知らずに米栂土台の家を買われるのは、悲しく非常に残念なことです。
ちなみに、10.5×10.5(cm)で長さ3mの薬剤注入された米栂材の価格は1本¥2,100-ほど。同じ寸法の桧材は¥2,900-ほどのようです。延べ床面積35坪の2階建の住宅で必要な土台は75m(25本)程度でしたが、30本としてもその差額は¥24,000-ほど。総工事費から見ると微々たる金額に見えますが、坪単価で¥700-の差が土台だけで生じる計算です。(10.5cm角の材でコスト比較していますが、私は12cm角以上を採用しています。)
この微々たる金額をもケチってより安く家を売ろうとする現在の住宅産業と、このような検討をしないのか知識が無いのか当たり前のように「土台:米栂防腐材」と図面に書き込む建築士がいることは事実です。
家族の健康面での安心、家の耐久性を考えても、金額以上のメリットが桧にはあると思います。という事で、私がオススメというか標準で採用する土台は桧の心材(赤身)です。さらにコストがかかってもより良い物をと言う方には、青森ヒバかクリが良いでしょう。